泡立つ夜半

芹沢きりこ

作品集『tiny tales』

あらためて、小さな絵の作品集をつくりました。 ぽつぽつと旅立っていて嬉しいです。 表紙には素朴な風合いの生成り色の紙を、中身には少し厚みのある触り心地のよい紙を選びました。 物として持っていたいものを作りたくて、ふたりでたくさん悩んだところ。…

tiny tales 2

あっという間に2週間が経とうとしていますが、 芹沢きりこ×森島彩生『tiny tales』 ご来場ありがとうございました。 アクシデントがありつつも、終始りくちゃんの人柄とシントンさんの安心感に助けられた優しい日々でした。 そしてそこから繋がる人たちが皆…

tiny tales 1

芹沢きりこ×森島彩生『tiny tales』 café シントン(東京/鷹の台) 2023.8.22tue-9.3sunclose 8.28mon day 11:00-18:00holiday 13:00-18:00 在廊予定 : 8/24、27、9/1、3 夏の終わりに二人展を開催します。 お相手はいつもデザインをお願いしているりくちゃん…

exhibition

2015.1 個展「花束と平熱」(ART SPACE BAR BUENA / 新大久保) 2017.11 個展「泡立つ夜半」(switch box あけ/たて / 白楽) 2021.2 個展「ザラメの砂漠」(Hevenly Coffee / 高崎) 2022.5 個展「五月六花」(cafe シントン / 鷹の台) 2021.10 mone morigaki × 芹…

五月六花2

遅ればせながら、『五月六花』ご来場ありがとうございました。 表立って何かをするのがいつまでも苦手だけれど、展示をする度に久し振りの再会や特別な初めましてがあって、描き続けていてよかったなと思います。 おそらく今までで1番色味を抑えた展示でした…

五月六花1

芹沢きりこ個展 『五月六花(さつきろっか)』 2022.5.17(火)-29(日) 火-金 11:00-18:00土日 13:00-18:00月曜定休 Café シントン✴︎西武国分寺線「鷹の台」徒歩1分 在廊日 18(水) 21(土) 25(水) すっかり久し振りの更新になってしまいました。 そしてとても久し…

pianissimo2

✴︎ ✴︎ Heavenly Coffee最後の日々に青い絵を届けることが出来て幸せでした。 ありがとう、きっとまたどこかで。

pianissimo1

気付けば10月。 10代からの友人と、初めての2人展を開催します。 2021.10.20 wed~ 31 sunmone morigaki × kilico selizawa“pianissimo” at Heavenly Coffee 「いくつもの夜、閉じた睫毛に金色の時間が積もる。東京を中心に活動する、1995年生まれのふたりに…

青い野を歩く

主人公を「きみ」と呼ぶ語り手は物語の外にいて、淡々とした記録のような描写から感情らしいものは見えない。 誰というわけでもなく、作者とも読者とも違うひとつの視線。 この慣れない感覚にどこかで出会ったような気がして、あ、と思う。 何度も反芻して、…

親しいくらやみ

私のなかに棲む暗闇は臆病で、あたたかい手のひらに撫でられている間だけ静かに眠っていてくれる。 野良犬みたいな嗅覚で、自分を決して消そうとしない人間を嗅ぎ分ける。 「わからないけど綺麗だと思う」と言われた時、泣いたのは彼女だった。 噛みつかなく…

祈りの習慣

初めての駅で昼食を取るために近くの喫茶店へ入った。 テーブル席がひとつとカウンターだけの、年季が入った小さな店だ。 カウンターの端には常連の老婦人がふたりいて、女主人とも知り合いらしい。 2席間を空けた反対の端に通されてオーダーを済ませるとう…

wandering

"wandering" 297×420mm木製パネル、アクリルガッシュ 2021.4 Aちゃんに ✴︎ とても久しぶりの友人から、自分への誕生日プレゼントにとオーダーをいただいて描いたもの。 「今はまだそいつを自分に重ねるのか愛でる対象とするのかわからないけど、世界に動物を…

ザラメの砂漠3(4)

甘い魚 2019 / 380×455mm 絵を描く時は感情だったり記憶だったり自分の内側にあるものを起点にすることが多いのですが、これは物語をつくろうと思って描きました。 今までなんとなく嘘のような気がしてしまって避けていたけど、ただ優しくて可愛い絵にしたか…

ザラメの砂漠3(3)

月の夜に 2020 / 210×150mm 好きな女の子とのデートの日、お土産に連れて帰ったフェーヴがモデルです。 小さなものたちがひしめき合う3階建てのアンティークショップの中でも、特に小さな彼らが集められたその一角にずいぶん長い時間いた気がします。 絵の具…

ザラメの砂漠3(2)

天使の休息所 2020 / 100×148mm 初めて高崎とHevenly Coffeeへ行った日の絵日記です。 3月のよく晴れた日でした。 車窓の向こうの山なみや光が波打つビニールハウス、ピスタチオアイスクリーム、硝子の食器、大きな窓、チューリップ、テリーヌショコラ、シャ…

ザラメの砂漠3(1)

Hevenly Coffeeさんでの個展が終了し1週間が経ちました。 展示作品すべて旅立つことになり、今はちょうど受け渡しの真っ最中。 報告とともにいただいた言葉や、絵が飾られた部屋の写真にほろほろとしています。 居場所が出来てよかったね、の気持ち。 観てく…

ザラメの砂漠2

昨日からHevenly Coffeeさんでの個展が始まりました。 28日までの2週間、あっという間なのだろうなと思ってすでに少し寂しくなっています(早い)。 細々としたインフォメーションをまとめておきます。 ✴︎販売について 殆どの原画をご購入いただけます。 会場…

ザラメの砂漠1

長い冬、みなさま無事にお過ごしですか。 もう間も無く2月です。 3年振り、3度目の個展をします。 セリザワキリコ個展「ザラメの砂漠」 2021.2.15(mon)~28(sun) Heavenly Coffee 15 / 14:00~18:00 16-28 / 11:00~18:00 木曜定休 在廊予定 : 15(mon) 23(tue) …

熱伝導率

インスタントコーヒーを溶いたスプーンを差したまま、マグカップに口をつける。 一瞬頬に柄が触れて、ちり、とした刺激が走る。熱い。 「シルバーは熱の伝わり方がとても美しいのですよ。」 吉祥寺のはずれ、半地下のアンティークショップで魔女のような店主…

光の溜まり

偽物のステンドグラスが落とす影、足もとで揺れる光の溜まり。 取り留めのない光景のなかのささやかな幻想に見惚れて、下を向きえんえんとひとりで遊ぶ女の子。 彼女がとても親しく思えて抱きしめたくなる。 たとえば絵の具に触っている時間。 無意味で静か…

21/24

21歳と24歳の分身と部屋 ダンボール、アクリルガッシュ、水彩色鉛筆 金木犀の降る朝 / 2016 君影草 / 2020

くらやみの先へ

くらやみの先へ 文 中澤萌音 絵 セリザワキリコ -------------------- くらやみをおそれる なにかに引きずりこまれそうな 飲みこまれそうな気がする にぎやかな街 日差しがふりそそいでいる 笑い声 車のクラクション 雑音でみちている そんなとき ビルとビル…

皮膚の辞書

夕方初めて外に出て、駅から公園へと伸びる川沿いの道を歩く。 高校生の頃夢中になった、歌のない音楽を聴きながら。 エモいって言葉の意味を97%くらい解っているつもりでいたけど、最近はうまく思い出せない。 頭より肌で意味を知る種類の言葉は触らないと…

一目惚れして一旦やめて、やっぱり買いに行ってしまったコート。 そのあと間もなく今まで毎日着ていたものの裏地が破れた。 やたらと意味を感じ過ぎても生き辛いけど、運命と思うようなタイミングはままあって。 選んだことに自信を持てと言われているような…

林檎と胡桃

帰り道、コンビニの店先に小さなテント屋根の張られた青果コーナー。 この間まで柿が並んでいた場所でつやつやと光る苺を横目に見ながら、いつも通りの林檎を買う。 風邪が流行っているらしい。22:30。 休み毎何かしらの手続きに奔走する数ヶ月にようやく終…

師走

気付けば12月。 思い立ったのは今年何度目かわからないけど、また懲りずに日記を書きます。 新しい仕事が始まって1週間と少し。 覚えることが山積みで忙しいけど、靄のかかった開けない期間が長かったから、明確にやるべきことがあるというのはとても健康な…

泡立つ夜半5

遅ればせながら、セリザワキリコ個展 泡立つ夜半 来てくれた方、気にしてくれた方、ありがとうございました。 月並みですが、あたたかい場所で宝石みたいな言葉や眼差しをたくさん頂いて、とても幸福な体験でした。 白楽の駅に初めて降りたという人、そうで…

泡立つ夜半4

たっきーさんこと原田貴彰さん、彼がギターを弾いているバンド、水槽のクジラもやっぱり高校生の時から追いかけているひとつで、彼らについて何枚でも作文が書けると思うし何にも言葉に出来ないと思う、のですが。 今回は割愛します。 たっきーさんから昔作…

泡立つ夜半3(3)

吉田真之(where is my mind?) 初めてライブを見たのは高校生の時。最高にドラマチックであたたかいロックバンド。 日々の繰り返しで自分が何を好きなのかとか、純粋さみたいなものが見えにくくなった時に、真ん中に響いてああ信じたいものはこれだったよねと…

泡立つ夜半3(2)

タチバナアキホ(niente.) 憧れから入ったものって、近くなって見える部分が増えるほど良くも悪くも形を変えていくと思うんです。アキホさんは、距離感が変わっても憧れ続けさせてくれるひと。真摯で、気さくで、美しいひとです。 10代のいちばん底だと思って…