泡立つ夜半

芹沢きりこ

wandering

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"wandering"

297×420mm
木製パネル、アクリルガッシュ

 

2021.4

Aちゃんに

 

✴︎

 

とても久しぶりの友人から、自分への誕生日プレゼントにとオーダーをいただいて描いたもの。

 

「今はまだそいつを自分に重ねるのか愛でる対象とするのかわからないけど、世界に動物を一頭、あまり大きくないサイズで描いて欲しい」というリクエスト。 

 

色については「好きな色は暗い緑で、あなたの深い青の絵が好き、柔らかい光の色、黄色や桃色が混ざった感じもすごく好きだし、収拾がつかないのでお任せします」とのことだったので全部詰めたくて絵の具を並べた。

 

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未来のことが何にもわからない今の感じが結構好きだと言う彼女が、この先ずっと連れ立って歩いていく何だって出来るような自由と少しの孤独。

あなたは何処へだって行けるよという気持ちで、そこで触れる光や風を思いながら祝福の絵にしたいと思った。

 

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包みを解いて絵を見た彼女が「何処にでも連れて行ってくれそうだし、ここにいてもいいよって言ってくれそうだね」と言ったのはきっと素朴な感想だったのだけど、"ここにいる"というのは"何処にでも行ける、何でも出来る"選択のうちの確かなひとつだよなあと、静かに胸に落ちたのでした。

 

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貰ったとびきりのリース。

ありがとう。